魔法科高校の劣等生 28巻 追跡編 《上》 あらすじ

アレクサンダー・アークトゥルスの覚醒

将輝の『オーシャン・ブラスト』で、アークトゥルスの想子が揺さぶられた。

インディアンの末裔、彼は特殊な能力を使い、精神だけで、『幽体離脱』魔法を発動し、精神体だけで、本来の任務、達也抹殺を実行する。
自身を肉体という檻に閉じ込められていたが、仇敵が、北の空を西に向かっているのが、探知された。
仲間と自身の仇を討つべく、空を行く人影を追い掛ける。

一方、十文字家隊は光宣の逃走車を追跡していた。

達也は、エアカーで移動中、夕歌のガーディアンの桜崎に連絡をとり、概要を聞きていた。
病院に着いた達也は、深雪から詳細内容を聞くのを後回しにして、すぐさま、水波の救出、追跡に向かう。

エアカーでは小回りが効かないので、フリードスーツで空からの追跡を開始する。

達也は、アークトゥルスから不意の攻撃を受けた。
そして、頭上で展開された魔法戦の気配を光宣は、すぐさまキャッチする。
光宣は、30分で良い!何とか達也を足止めしてくれ と心底から願う。

アークトゥルスのがむしゃらな遠距離攻撃に、達也も後手に回る、接近戦に何とか持ち込み、術式解体を発動するが、その魔法すらも耐えてしまう。

有効な手立てもなく、時間だけが過ぎ去っていく。
精神は霊子の情報体。達也には視えない。
達也は考えた。幽体の全てを分解するのではなく、幽体離脱を維持する為に稼動中の魔法チャネルを標的にしようと。

事象干渉力の正体はプシオン(霊子)、ということが判明し、そのチャネルを破壊すること成功した。

アークトゥルスは幽体離脱の魔法を維持できなくなり、
肉体という棺に戻された。

達也は術式解体の連発にかなり疲労していた。
一旦、地上に降りて、呼吸を整え、ゆったりとした歩調で西に向かう。途中、克人の車に合流し、同乗して、水波の車を追跡する。

だが、結局、富士風穴の手前で反応を見失った。
現地に近づき、周辺を探ってはみたが、強力な幻影魔法、レリック(聖遺物)クラスの魔法具を使って、達也たちも知らない、古式魔法の秘技で隠蔽されたものだった。

空から探しても、無理なことはわかっていた。
ここ、青木ヶ原樹海は観光地であると同時に、国防軍が定期的に、森林行軍の演習に使っている軍用地なのである。
偵察衛星や成層圏プラットホームすら、その存在を認識できてない。そういう代物なのである。

引き返しても、状況は変わらない と踏んだ克人は、周辺を引き続き探索したが、細い道は途中で切れ、何度往復しても、何も発見できず 徒労に終わった。


九島光宣と水波は、青木ヶ原樹海の周公瑾の元隠れ家に逃げ込む

一息ついた二人は、水波が作った中華料理で遅めの夕食を摂る。

この隠れ家は周公瑾が用意したものであり、亡命を斡旋した大陸法術師らを騙して、命を代償にする遁甲術を使わせ、人柱にしてそのまま作り上げた異界。
しかも、建築に携わった職人たちも口封じされ、結界を強化する材料に使われている曰く付きのものだった。

食事が終わり、光宣から「水波さんの正直な気持ちを教えて欲しい」と言われ、時間をください!としか言えない水波。
光宣はパラサイトになるのを強制するつもりが無い。
水波がパラサイトにならない決断をしたら、深雪の許に戻すことも考えている。

一方、深雪は水波の件について、達也に弱音を吐く。
水波は光宣に好意を持っていて、それを強く(いさ)めなかった自分が間違っているのか?
それとも、自分よりも光宣の方をとったのだろうか?

達也の返事は、水波と同じように、深雪に人殺しをさせないように、止めていたであろう ということ。
四葉家次期当主の行動としては、間違っていたかもしれないが、俺にとっては間違ってはいない。
そう深雪に強く告げた。

達也の言葉で気が緩み、安心した深雪は達也の胸に顔を埋めて、そして…そのまま達也に抱かれて寝てしまう。

エレメタル・サイト『精霊の眼』VS パレード『仮装行列』

十文字からの情報により、抜刀隊の面々も行動を起こす。
樹海全域の捜索を開始したが、結果、見つけられず、この樹海には居ない!と言う勝手な結論に達した。

新ソ連軍の南下、 予断の許さない状況で、一高は本日も休校だった。

達也は深雪の気を紛らわそうと、ドライブに誘ったが、やんわりと断られ、水波捜索の時間に充てることを提案する。
それを受けて、達也は、深雪を側に置き、エレメタル・サイトで水波の捜索することにしたのである。

深雪は普段着のまま、達也のそばに向かい合わせに座る。
以前と違い、下着姿ではない深雪。

以前とは、師族会議が開催されていた箱根ホテルを狙ったテロの首謀者、顧傑(グ・ジー)(中国名)ことジード・ヘイグを見つけ出す為に、自身の持つ情報知覚能力の全てを投じる必要があった。しかし、深雪の身に迫る脅威を見張るために、常時『精霊の眼』をキャパシティの少ない割合で彼女に向けている。

深雪から『眼』を放しても大丈夫だ!と達也自身が納得する為には、視覚以外で深雪を守っている という実感が必要だった。具体的には、自分は競泳用のハーフパンツのみを身につけて、下着姿の深雪を背後から抱きしめるという、いささか非常識な真似を達也は採ったのだった。

【小説】魔法科高校の劣等生四葉継承編以降の まとめ 感想 ネタバレ。

09/11/2018

だが、現在は封印は掛かっておらず、視覚だけで達也は深雪を守っていることを実感できた。

達也はエレメタル・サイトを発動させた。
探し求めるのは、水波のエイドス。
捜索から五分足らずで水波の情報を捉えた。

その達也の眼を当然のことながら、光宣も知覚した。
パレードを使い、偽りの位置情報、河口湖の湖上にいることにして達也の眼を欺いた。

無論、達也は光宣が『仮装行列』を使用し、妨害することは織り込み済みだった。

達也から注がれる「視線」が二本に増えた。
一つは水波のエイドス。もう一つは彼の魔法、パレードに注がれている。

強烈なプレッシャーが光宣に降り注ぐ。
何度も光宣にストレスを掛け、そのプレッシャーは回を追うごとに増していく。

パレードの魔法式を標的とする攻撃は、七度目を数えた。

その光宣は、たまたま、水波との気まずさから外に出ていた。
これが逆に良かった。無様な姿を水波に見られずに………

達也もだいぶ、消耗していた、不十分な視認できない情報体を術式解体で無効化しようというのが土台無理な事なのである。

それでも、さらに九度目のチャレンジを敢行した。
光宣のパレードが軋みをあげている。

ギリギリのところでの攻防だった。達也の魔法演算領域が悲鳴をあげ、オーバーヒートの兆候が認められた。

進むか!立ち止まるか!

生死にかかわる重大な決断。

決断したのは、達也自身ではなく、深雪だった。

達也の頭を胸に抱えこんで、危険だと!達也の身が心配だと!お兄様の身の方が大切だと! 深雪の両目に涙を湛えた顔を見て、達也は中止を決意した。

そして………一方、僕は耐えきったんだ………達也の攻撃を凌いだんだ……… と思った時、光宣の思考は暗闇に落ちた。

達也は水波のエイドスに向けていたエレメタル・サイトを解除しようとした。
その一瞬、青木ケ原樹海の座標が達也の眼前を横切る。
半径100メートル程の、狭いエリアを示す情報、ソレを確認した上で「眼」一つ 閉ざした。



『海 爆』オーシャン・ブラスト行使者 国家公認戦略級魔法師 一条将輝と開発者 吉祥寺の記者会見

防衛省は、集まった記者の質問に答えて、新ソ連小型艦部隊を一掃した、オーシャンブラストの存在とその魔法を使用した魔法師の名を公表した。
マスコミは、早くも将輝の居場所を突き止め、小松基地に群がっていた。

その小松基地内で記者会見が行われる。
将輝の巻き添えで、開発者の吉祥寺真紅郎も同席されられてしまう。

そして……記者からの質問を受けて、海 爆の開発は自分一人ではなく、第一高校の司波達也から提供を受けたことをばらしてしまう。

達也からすれば、

達也
余計なことを………

記者会見での吉祥寺の告白が、達也の思惑を台無しにしたことについても、

達也
正直と誠実が、常に
最良の処世術とも限らないだろうに…

アイツの性格を見誤ったか!

って、ことになってしまった。

この将輝と吉祥寺の記者会見放映は国内向けのものだったが、新ソ連の戦略級魔法師 ベゾブラゾフはタイムラグがあったが、傍受した記者会見を映すモニターを見て、

またあの男か!

あの男が私の魔法を盗んだのか!

と、荒れ狂う感情を全力で押さえ込んでいた。


リーナ、再び 一高に編入す。

新戦略級魔法の共同開発者として、既にトーラス・シルバーとして名を馳せている達也をマスコミが放置する筈はなかった。
FLT本社と府中の自宅(旧宅・現 空き家)にマスコミが群がっていた。

この騒動を受けて、達也は動画電話(ヴィジョン)越しに真夜に深々と謝罪した。
無論、深雪もその傍らにいた。

真夜からある提案が出される。
四葉家、次期当主の深雪の護衛の件である。
校内で一緒に居られる女子を付けてはどうかという提案であった。
勿論、一時的な措置として………

黒羽亜夜子、亜夜子ちゃんを一高に転校されては?と達也たちに自身の考えを伝える。

だが、達也には代案があった。
四葉家で保護しているアンジェリーナ・クドウ・シールズを深雪の側に置いて、護衛に当たらせてはと。

彼女はパレード『仮装行列』の使い手であり、遊ばせておくにはもったいない戦力である。
しかも、巳焼島に対する侵攻の際、米軍の目に触れている。

リーナが危ないのではなく、巳焼島の安全が脅かされる という達也の判断があった。

真夜は思案のポーズを見せながら、小さな笑いを漏らし、達也の本音を見抜いたように、これを了承した。

当家から彼女について、話を通しておくけど、達也たちの方からも百山 東(ももやま あずま) こと、百山校長に頭を下げた方が良いとアドバイスした。

四葉の権勢をもってしても、頭をごなしに言うことを聞かせられない人物だからである。

達也は了解し、リーナを連れて頼みに行く と返事をした。
達也たちの住んでいるマンションは、最上階の達也たちの部屋のほか、使用人用の部屋が三戸用意されており、一戸は水波の部屋だが、残り二戸は空き部屋になっている。

真夜と達也の間で具体的なスケジュールが埋められていく。

数日して…ついに、リーナが巳焼島から達也たちのマンションに到着する。

「深雪の護衛を頼みたい」と達也は話し、詳しい事情を説明する。

また、今更 高校生?!的な顔をするリーナ。
しかも、私はもう社会人(大人)よ!的な言い草で、こういう時だけアメリカンナイズされていて、大学なら分かるんだけど…発言もする。

一高に再編入してもらうのは、任務の一環だ とちょい軍人魂をくすぐって、なんとかリーナの説得に成功した。

深雪も同行するので、深雪たちの外見を変えて、出掛ける用意をする。

リーナのパレード『仮装行列』で、
ミユキは、明るい栗色の髪をポニーテールにした、薄い茶色の瞳をしたリーナに良く似た顔立ちの少女に変身した。
タツヤは、ニューメキシコの若手ミュージシャンに変身。
ライブ専門でネットにも顔出ししない人物だから、バレないとリーナは説明する。
深雪と達也のパレード『仮装行列』変身後の画像

深雪は「手抜きじゃないの?」と批判するが、
男性のメイクアップはやったことがない!と開き直って言い返した。

一高に到着し、百山校長と対面する。

百山は、防衛省からリーナを編入させないよう圧力がかっている とほのめかした。

だが…百山は強い口調で、学びを本気で求める者をなんびとたりとも拒みはしない。コレは、リーナの祖父 九島 健の信念である。

九島 健は、魔法師にも人間的な教育を与えなければならないと強く訴えた。 だが、事実上、日本から追放される形でアメリカに派遣された。
この魔法大学付属高校が現在のような方針で運営されているのは、九島健の主張が多少なりとも認められた結果だ と説明する。

そして、自分も九島健と信念を同じくする者だ と。

無論、公には口外することが禁じられている
と、苦笑いで達也たちに追加説明する。

百山校長に刺激を受けたのか?感化されたのか?
リーナの摩訶不思議な熱意を受けて、明日、編入試験を受けることになった。

帰りも仮装行列『パレード』で変身し、深雪がほぼ一夜漬けで勉強を教えることになった。

深雪がつきっきりでリーナに勉強を教えている間、達也は、マンション内の訓練フロアにある「瞑想室」で水波の様子を確認していた。
まだ、パラサイトにはなっていない。

実は達也は、前回、光宣とのエレメタル・サイトでの激しい攻防戦の後も現地を訪れ、探索していた。しかし、何も得られなかった。

違うアプローチをしようと考えて、それを行動に移す達也。
光宣のパレード『仮装行列』をなんとかして破りたい 達也は、後日、師匠の八雲の所に行き、懇願した。
だが、頭を丸めて出家し、自分の弟子になるなら考えよう と言われてしまう。
勿論、達也は八雲の弟子になる という考えは毛頭無い。

次に考えたのは、パレードを開発した九島家から術式を入手できないか? というものだった。

七月十一日、木曜日 三日間の休校を挟んで、今週初の登校日。
一高の周囲には、当然のことながら、マスコミ陣が姿を見せている。
これもまた当然のことながら、記者たちは深雪の姿を捉えることは出来なかった。

そこに、記者たちの目とは違う目を持つコーヒーチェーン店の二階席窓際に ある二人組がいた。

アレがアンジーか!と英語で会話する二人。

事前に調査した情報から、リーナの隣にいる茶髪の美少女をヤツ(達也)のフィアンセだと推測した。
本国に報告し、この状況から作戦を再考する必要がある と感じたUSNA軍非合法工作部隊イリーガルMAP・ホースヘッド分隊所属の二人は、カップの中身を一気に飲み干して、椅子から立ち上がった。

リーナと一緒に登校した深雪はそのまま教室に行かず、生徒会室に向かう。
普段通りに、挨拶し 七草泉美が迎える。
なんか不思議な違和感を感じ、目を丸くする泉美。

深雪も泉美に挨拶し、ドアが閉まったとたん、変身を解除した。
外にいる 『しつこいマスコミ』 のせいで、深雪が変身してる件を、“他言無用” とやんわりと泉美に悟す。
そして、リーナのことも彼女に紹介する。

その後、教室内でいつものクラスメイト達に事情を説明する。
マスコミの件、リーナの編入の件、しばらくはリーナと二人で下校することを皆に申し伝える。
エリカもいつもの面子が周りに居ると、バレるかもしれないからと深雪たちに対して気遣いをみせた。

深雪は、無事 編入試験をパスしたリーナと二人で一足先に駅に向かった。例の茶髪のポニーテール姿で。

いつものメンバーは学校のカフェで待ち合わせて下校した。
学校と駅の中間くらいで、エリカが妙な視線を感じる。
ふと、道路に面した喫茶店の二階を見上げる。

この喫茶店の二階にいる男女は、窓から背を向けた。
この二人は朝に張り込んでいた、別のコンビ。
ホースヘッドのメンバーだった。

光宣の策謀、呂剛虎(ルーガンフゥ) の日本への潜入

達也からのあの激しい攻防戦後、たまに、様子を伺うような攻撃を受け、光宣は万が一のこともあり、移動しようと考える。
この場所はまだ見つかってないが、樹海に逃げ込んだことは、達也にも十師族にも知られている。

少し遡って… 光宣は達也との激しい攻防後、あまりにも部屋に戻って来ない光宣を心配し、外に出た水波に介抱され、元 周公瑾の部屋で静養していた。
周公瑾が生前 仕事で使っていた部屋は事務機や通信機器も置かれていて、いまも健在である。

しかも、マスコミは周の死を公表していない。
そのため今でも、公瑾宛の依頼が彼のアカウントに飛び込んで来る。

そのメッセージは、大亜連合の秘密工作部隊からの依頼だった。
内容はというと、工作員の潜入を支援して欲しい。
署名は指揮官の陳祥山のものだ。

おそらくは、呂剛虎(ルゥ・ガン・フゥ)を小松基地に居る戦略級魔法師、現在は将輝のところに保護されている劉麗蕾(リウ・リーレイ)の奪還、暗殺を目論んでいる と光宣は判断した。
この状況を利用し、国防軍や十師族の目をそちらに向けさせたい と考えていた。

光宣は周に成り代わり、この件を了承した事を先方に伝えた。
更に、匿名のアプリケーションを立ち上げ、抜刀隊にこの情報を流す。


千葉修次と呂剛虎との死闘

光宣の匿名情報にまんまと踊らされ、抜刀隊は小松基地に向かう。

横浜事変(横浜騒乱編)の直前、修次(なおつぐ)は、呂剛虎と一戦交えた。摩利もまた、呂剛虎と矛を交えている。
横浜事変の前と、当日の二度。いずれも摩利たちの勝利に終わったが、二度目に止めを刺したの親友の真由美である。
修次ほど強い思いではないが、再戦を望む気持ちは摩利にもあった。

再度、アニメ魔法科高校の劣等生を視聴した感想(あらすじ、ネタバレあり)

04/08/2018

劉麗蕾の護衛部隊隊長として、一緒に亡命してきた大亜連合の林少尉は基地の将兵との押し問答をしていた。
買いたいものがあるのだと、大亜連合の女性にとって必須なものだと、仕方なくというかオマケの林少尉を気にしていなかった為、司令部の許可も取らずに外出を許可してしまう。

無論、一応、二人の監視員兵付きで。

何故、こんなに簡単に!?の理由は、林少尉は催眠術のエキスパートだった。大亜連合の意識検査をパスできたのも、自己催眠によるものであった。自白剤すらもはねのける程に。
更に、魔法師としては低レベルであるため、ほかの擬装手段に気づけなかった面もある。

摩利と修次が街を探索中、摩利が林少尉が乗る車とすれ違った。この厳戒体制下、外出してるのは怪しいと感じた二人は後を追う。

林が連れて行ってもらったのは、香港資本の薬局チェーンだった。
二人の監視員兵は目の届く範囲で車内待ちして貰い、店内に入る林少尉。
広東語で、通常会話の中に暗号を混ぜた会話が始まる。
そうここは、新ソ連の連絡員がいる店なのである。

林少尉はふいに、連絡員の背後から声を掛けられる。
そこに現れたのは、呂剛虎だった!
連絡員は既に呂剛虎の手に落ちていた。

「裏切り者、林衣衣〜」と階級なしのフルネームで叫ぶ。
林のポケットから携帯端末を抜き出し、劉麗蕾に助けを求めるよう、脅迫する。

劉麗蕾は助けに行きたいと懇願する。
無論、これは罠だと決まりきっている。

当然、林少尉の助けは出せない、いや できない。
将輝は、呂剛虎が手強いのを知っている。
しかも、大人数は割けない。小松基地の守りが手薄になる。だけど、少人数だと戦力が足らない。

このジレンマ、膠着状態を解決したのは、千葉修次だった!
林を追っていた、修次は呂剛虎と対峙した。
そして、ここにいきなり、剣鬼と狂虎の一騎打ちが始まったのである。

修次と呂剛虎の戦いは全くの互角だったが、残念ながら、摩利が横から手を出せるレベルを超えた死合いだった。

摩利は周辺の確認に向かった。
既に、車内の監視員兵 二人はこと切れていた。
そして、林も薬局店内の窓ガラスが割れ、投げ捨てられ、こちらもこと切れていた。

何度も何度も激しい攻防が続く。 ついに『幻の剣』、イリュージョン・ブレードが炸裂する。

ここには無いものと錯覚させる、
その修次の突きが呂剛虎の胸に伸びた。
しかし、その刃を呂剛虎は両手で挟みとった。

途中で四分の一回転した刀身は、呂の右手のひらに食い込んだ。だが、刀の峰をしっかり掴んだ呂の左手が、胸に突き立つ寸前の切っ先を止めた。

呂剛虎がニヤリと笑い、まだ健在な両足を使い、蹴りを放とうとする。
刀を掴み取られた修次は、呂剛虎の蹴りを(かわ)せる体勢にない。
しかし、何時を経っても呂の蹴りが放たれることはなかった。
呂の身体は修次の刀を掴んだまま、ゆっくりと崩れ落ちた。

「 裏の秘剣、突陰(つきかげ)!」

技の成就を確かめるように呟きを漏らした。

この技は、研ぎ澄ませた想子(サイオン)の刃による刺突。
肉体の想子情報体「魄」に心臓を突かれた と錯覚させ、その錯覚により心臓を止める無系統魔法の秘剣であった。

その頃、青木ヶ原樹海の館では………
「何が人喰い虎だー あの役立たず。時間稼ぎにもなっていないじゃないか!」
と、いう罵声を光宣が撒き散らしていた。

しかし、しばらくすると冷静になり、今の状況を整理する。
思案の結果、外部に協力者が必要だ!と結論付けた。

⦅だったら、僕/僕たちが手を貸そうか?⦆

焦りと怒りで、思念の防御が外れ、パラサイトたちの共有意識、その中のレイモンドが話しかける。

レイモンドたちは相模湾にいる。
彼等は、インディペンデンス、USNA空母を隠れ蓑にしていた。

イリーガルMAPは達也の暗殺を狙っている。
達也の暗殺など無理だと分かっていても、今のところ駒が無い!

レイモンドは、少なくとも呂剛虎よりはマシだと、光宣に進言する。

光宣は、その意図を その混乱に乗じて、脱出しろ?
という風にとった。

更に、横須賀まで来れば、日本から逃がしてあげるよ。
もちろん、君の彼女も一緒に。

⦅レイモンド、ありがたく君たちの助けを借りることにするよ⦆

光宣はこう答えてしまった。

藤林家 代理当主 藤林響子の訪問

リーナと深雪を送り出した達也は自宅マンションに居た。

既に、101旅団所属の軍人では無く、藤林家の客人として、地下二階の応接室には、藤林響子が待っていたのである。

「本日は藤林家当主、藤林長正の代理人として謝罪に参りました」
と 深々と頭を下げた。

九島光宣に対する司波家の無法の数々に対し、当主として、謝罪したいと。
達也は、一族といっても光宣と血縁関係にないので、謝罪の意味がよく理解できないことを告げる。

だが、藤林の口から出た言葉は、妻の息子であれば、藤林家の一員。当主はそう考えている
と返答した。
そう、以前より響子は、光宣と自分は“異母姉弟”であることを知っていたのである。

【小説】魔法科高校の劣等生15巻 古都内乱編(下) 感想 ネタバレ。

08/08/2018

そして、続ける………ただの謝罪ではなく、実質が伴う謝罪であると!

藤林はハンドバッグから大容量ストレージであるソリッドキューブを取り出して、テーブルの上に置く。

中には、パレード『仮装行列』の機動式及び運用方法、東亜大陸流古式魔法『磧兵八陣』の詳細を記した文献が記録されている と説明した。

磧兵八陣は鬼門遁甲を応用した大規模結界構築の技術です」
と補足し、光宣の隠れ家もその術で構築されているだろう と伝える。

※1『都合が良すぎる!?』と達也は思ったが、響子から父・長正と九島家当主・真言は、自分たちの手で光宣を捕らえるつもりだという説明を受ける。
しかも、本音は任せて欲しい ということも。

だが、達也も水波のこともあるし、ここまで来た以上、引き下がれない、
共闘は出来ないのですか?との要望を響子に伝え、彼女は急ぎ実家に戻って相談すると言って、席を立った。

本日もリーナを加えた3人で夕食のテーブルを囲んでいた。
実は昨日もこの三人で。
一人暮らしを始めた、といっても同じマンション内だが。
落ち着くまでは…という口実で深雪が誘ったのである。

食事を終えた直後に、動画電話(ヴィジョン)の呼び出し音が響いた。

相手は藤林家当主、藤林長正だった。

長正は、あの者(光宣)を一族内で処断したいと考え、九島家の同意を得たことも伝えた。

今回の件は、自分と光宣の対立に端を発しており、この手でケリを付けるべきだと いうことを長正にハッキリと告げる。

達也の心情を忖度し、九島光宣の討伐のスケジュールを調整したい と長正は告げた。
自分としては、明後日の七月十三日に青木ヶ原樹海に赴き、討伐したい
と考えている ことを明かした。

達也は、パレードと磧兵八陣の分析する時間が欲しいと思ったが、水波を一刻も早く救出するのが、先決だと判断した。

達也に、待ち合わせの場所と時間を任せることを告げ、
達也の方は、お嬢様(藤林響子)に日程が決まったら、連絡することを丁重に伝えた。

電話の範囲外にひっそりと座っていた九島家当主、九島真言は、「ああ、これで良い。長正、手間を掛けるな」

「先程、司波殿にも申し上げたが、血の繋がりは無くとも光宣は私の甥、一族の一員だ。知らぬ顔はできない」

長正の言葉に、真言が無言で頷く。


まとめ、感想、29巻の展開予想

アイキャッチ画像にも出てますが、表紙のリーナに向き合って手を繋いでいる美少女は深雪だったんですね。
パレード『仮装行列』によって、変身してた………

一高の制服をリーナが着ていたので、なんとなくまた、編入するのかな?って 思っていたんですが、そのままその通りでした。

ところで、リーナが達也たちの自宅マンションに来たことにより、なんかの拍子に水波にこの事が分かってしまったら………
水波は自分の居場所がなくなってしまった!と思わないのでしょうか?
無論、パレードで変身してるし、わからない可能性の方が高いんですが。でも、女の直感は鋭いですからねー

とりあえず、ご主人様 深雪と水波の直接会う場を設けないと、心のすれ違い、距離は広がるばかりだと思うのですけど。

リーナもだんだんと泥沼、いや 達也たちの仲間なる方向に着々と足を突っ込んでますね。
しかも、相変わらずの天然?頭のネジが一本抜けているような感じで!?
ですが、リーナがUSNA軍、スターズに辞表を叩き付けて ハイ!終わり。
仲間になりました! とは いかないでしょうネ。

それにしても、戦略級魔法師が勢ぞろい!

一条将輝、国家公認ではないけど達也、リーナ。
しかも、大亜連合から亡命して来ている、劉麗蕾。
これじゃ、世界の軍事バランスがめっちゃ偏ってしまいますね。

大亜連合と言えば、エース呂剛虎が斃されたことにより、上官の陳祥山はどう動くのか? 仇を討ちに、再度、劉麗蕾の奪還部隊を派遣するのか?

新ソ連のベゾブラゾフも腹わた煮えくり返ってるだろうな!
達也のせいか?!日本 狙われ過ぎでしょ(笑笑)

次巻はいきなり、イリーガルMAP 対 達也、九島・藤林家連合という図式になるのか?!
エリカたち、クラスメイトも参戦するのか?

【追記】: どうやら、藤林長正は、達也の敵に回るようです。
希代の忍術使い?!もうなんでもあり!だな。

確かに達也が※1で『都合が良すぎる』って思ったのは、悪い意味の方に転がってしまったようですね。

ただ、なんで?長正が達也と対立するの??
ってこと!
長正自身の手で、光宣を断罪したいから対立するのか?
よく理由が分かりませんね。

それとも、この行為は、光宣を助け、逃がそうとする意味合いのものなのか?
血が繋がっていなくても、親としての愛情なのか!?
それとも、別の理由があるのか?!

こりゃ 達也も大変だ!

イリーガルMAP隊と忍術マスター・藤林長正、そして………ラスボス・九島光宣!!
苦戦するのか、ここぞとばかりに『さすおに』の力を発揮するのか?見ものですネ。
電撃文庫、魔法科高校の劣等生 29巻 追跡編(下) 発売日情報と予告あらすじの画像

さて、深雪の出番はあるのか? チェイン・キャスト付きコキュートスでパラサイトたちを一網打尽なんて!なかなか爽快な気がするのですがネ。

最後に、筆者(佐島 勤さん)のあとがき だと、追跡編 29巻(下)は再来月、刊行予定です!と書いてありました。

すると、6月10日(月)が次巻の発売予定でしょうかね。

さらに、今の構想予定では、『追跡編』《下》の次が『奪還編』。

その次が『未来編』。

そして、短編の『卒業編』に続くようです。

ここで、気になるのが、まず『奪還編』の主語が分からないので、予想しかできませんが、水波ちゃんの奪還だったら、次巻追跡編(下)では、まだ光宣の許に居たままなのかな?

リーナから依頼のあったカノープスたちのミッドウェー島監獄からの奪還だったら、水波は次巻で戻って来るのでしょうかね?

あと、『未来編』ですね。 深雪が四葉家当主になって、一校を卒業して終わるのか? 尻切れトンボみたいに、『皆さまのご想像にお任せします』的な終わり方なのか?

はてまた、タイトル名 変わって『魔法科大学の劣等生』??となって、様変わりして続くのか?

どうなんでしょうかー!?

【追記】:《次巻 発売日情報》
魔法科高校の劣等生 29巻 追跡編〈下〉の発売日は、
6月8日(土)に決定しました。

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お酒類、アニメ、ラノベ、漫画大好物。 ワードプレス《WordPress》【有料テーマSTORK(ストーク)】をイキナリ 初めて使っているので、色々と困りごと多し。 もう若干、ジジィなので、肉体的にも精神的にもあまり無理はしない!ガテン系Wワークマン。 プロフィール名は、自身名前の一部とお気に入りの書の詩人、相田みつを さんをもじって付けました。