目次
エルドリエとキリト達の攻防
キリトは牽制に火の神聖術を使い攻撃を開始したが、あっさりと反属性の氷の神聖術で相殺された。
キリト達は上手く連携し、エルドリエの虚をつく予想外の攻撃を仕掛け、焦りを誘う。
エルドリエの持つ神器『霜鱗鞭』は太古から生きる一匹の蛇を鞭にしたものである。
戦闘の途中から、その能力を開放する武装完全支配術と姿を開放する記憶解放術を駆使してきた。
多少の手傷は負わせたものの、戦況は思わしくない。
キリトとエルドリエはお互いの鎖と鞭を握り締めながら膠着状態になる。
ユージオは頭の隅に引っかかっていたものをついに思いだす。
エルドリエ・ウールスブルーグ。今年の四帝国統一大会の優勝者。全ての試合を1本勝ちし、流麗な剣術で知られる。
人界最強の戦士と言われたその剣士は、どうやら記憶を刷りかえられており、ユージオが名前や功績を語りかけると、エルドリエは取り乱し、額から紫色の三角柱のクリスタルがせり出してきたのだった。
喪失している記憶が鍵になると気付いたキリトは、エルドリエにすべてを思い出させれば、この状況が変えられると察し、ユージオに他に何かエルドリエに関することを喋りかけるよう頼む。
ユージオは母親の名前を思いだし、その名をエルドリエに語りかける。エルドリエは涙を流し、ほんのもう少し、あともうちょっとで記憶の封印のクリスタルが全て迫り出して来そうな………
その時、完全なる不意打ちでキリトの右足の甲が撃ち抜かれる。
飛竜に乗り紅蓮の鎧を纏った 他の応援の整合騎士が飛来して、上空から矢で狙撃される。
二人は急遽、仕方なく後退し、 薔薇庭園の通路内に逃走する。
追ってくる矢を背に全速力で駆け抜けていく二人。
すると分かれ道に差し掛かる。不思議と前髪を引っ張られる感覚によって、右に曲がるキリト。
だが、薔薇園の迷路は行き止まりになってしまう。
突如、小さな扉が現れ、十歳くらいに思える少女が「おい、こっちじゃ!」と手招きして、二人共に命からがらその扉に飛び込んだ。
カーディナルの突如の救出劇
二人は、ばらの庭園とはまったく違う異次元の様な通路に入り込んだ。
帽子にローブ、そして背丈よりも長い杖を持った謎の少女に追い立てられるままに通路を進み、いくつかの廊下が繋がっている四角い部屋に出てきた。
「ほい!」と掛け声一つでいままで通ってきた扉を跡形もなく閉じた少女は、付いて来いと言わんばかりに先を進んでいく。
四角い扉の中でも一際 大きな扉をくぐると、本棚と本だけで世界が作り上げられているような壮大な空間、大図書館の光景がソコにはあった。
ここで 自らをカーディナルと名乗り、
ココは、アンダーワールドが創造されてからのあらゆる歴史の記録と天地万物の構造式、全てのシステム・コマンドが収められていると説明した。
蔵書の内容に驚愕と衝撃を隠し切れないキリトとユージオ。
エルドリエとの戦闘で噴水に投げ出され、ずぶ濡れになって、くしゃみをするユージオ。
その様子を見て風呂に入ることを勧め、ユージオはその好意に甘えることにした。
そして、ユージオが風呂に入っている間、カーディナルはキリトだけを連れて図書館の奥へと進む。
キリトは、アンダーワールドが仮想世界であること、そして、カーディナルがカーディナル・システムという自律型プログラムである事を知っていると口にする。
無論、カーディナルもキリトが外の世界からやってきた 無登録者であることも知っていた。
お互いの話のやり取りのあと、キリトの疑問?!に答えるために、この世界の創生時代の話をしはじめる。
ここから、カーディナルによって創生の時代からの長〜〜いアンダーワールドの歴史が語られる事になる。
アンダーワールドの歴史、アドミニストレータの誕生秘話
今から450年前、央都セントリアがまだ小さな村でしかなかった頃、アンダーワールドには4人の“神”が存在した。
初期の現実世界のラースのスタッフの4人は二軒の農家で8人ずつ、合計16人の子供を育てた。読み書きや農業、畜産業、そして禁忌目録の礎になった倫理観を教えた。
知性も高く倫理観も素晴らしいはずの4人の現実世界の人間だったが、残念ながらその中の1人だけ利己的な欲望を持った人物が紛れ込んでいたのだった。
子供が生まれるとき、アンダーワールドでは外見だけでなく性格も遺伝してしまう。利己的な欲望に汚染された子供の子孫は現在の人界の貴族や皇族、上級司祭というように特権階級化されていった社会の中で高い地位についており、その最高峰にいるのが公理教会最高司祭でシステムの管理者アドミニストレータという存在。
ここで、この世界の現社会体制基盤を築いたアドミニストレータがどうやって生み出されたのか?って話に切り替わる。
ある日 2つの領主の家が政略結婚をし、クィネラという女の子が生まれた。彼女はそれまでのアンダーワールド人とは違い、とても美しい美貌と稀有な才覚、そして誰よりも強い利己心を持ってうまれてきた。
天職に就く年になり、天職を決める仕事だったクィネラの父は彼女に神聖術の修練者という職業を課した。
鋭い観察力と知性でシステム・コマンドの単語の意味を解析し、理解した彼女は、アンダーワールドで初めて攻撃術を編み出し、同時に生物ユニットを殺す事で経験値を得て自身の権限レベルが上げれることを発見した。
クィネラの権限レベルと神聖術行使権限は動物ユニットを殺す事で上昇し続け、それに伴いシステム・コマンドの解析も着実に進んでいく。
やがて、天候操作や天命回復などそれまで神の御業(みわざ)と考えられていた神聖術まで扱えるようになった。
その噂は村人たちにも伝播し、
クィネラは村人達に請われ、足が不自由な村人を神聖術で治したりなどしていた。
そして、村人達はその光景に目を見張り、次第に崇めるようになる。
13歳になったクィネラは自らを神の巫女と宣言し、セントリア村の中心に白色の大理石の塔を建てさせた。
そこで初めて人界に公理教会が発足し、同時に領主に爵士を与え、アンダーワールド内に封建制社会が誕生する。
クィネラが20歳になる頃には各地の開拓村にも教会が建ち始めた。これからもっと人口が増えていくと予想された。
クィネラはこの世界を統制する明文化された法が必要と感じ、禁忌目録を発布し全ての人間が厳守するように義務付けた。
教会にとって都合の良い道徳観念が書かれた禁忌目録は波及し、やがて公理教会への忠誠を疑う人間は人界にはいなくなった。
時が過ぎ、クィネラが40歳に差し掛かる頃彼女は自身の天命の減少に怯え、より一層システム・コマンドの解析に没頭するようになる。
80歳を過ぎ、クィネラの寿命もいよいよ尽きるかという今際の際、彼女は寝室のベッドで、遂にそのコマンドを探し当てる!
『システム・コール インスペクト・エンスタイア・コマンドリスト!』
それはアンダーワールド内の全てのシステム・コマンドの一覧を呼び出せる術式だった。
その後、クィネラはまず自身の行使権限を最大まで引き上げ、アンダーワールドをコントロールしていたカーディナル・システムの全権を自身に付与し、自然の摂理を停止させた。
そして、自分の天命を回復し10代後半の美しい姿のまま天命を凍結させた。
だが、クィネラの欲望はそれに留まらず、自身がシステム管理者になろうと目論む。
自身と同等の存在、カーディナル・システム これを高度な魔法式を発動して取り込もうと画策する。
だが、ラースの技術者用に書かれた より高度なシステム・コマンドは科学文明に縁のないクィネラには理解できず、彼女はカーディナル・システムに成り代われなかった。
逆に、自身のフラクトライト(人工魂)にシステムの基本命令を焼き付けてしまい、カーディナル・システムそのものと融合してしまう。
人界の秩序の維持という命令を己の魂に、強く焼き付けてしまったクィネラは昏倒し、目が覚めたときにはあらゆる意味で人間ではなかった。この人界を今のまま永遠に保つ事を欲し続ける存在となった。
そして、彼女は公理教会最高司祭アドミニストレータと名を改め、名実共にこの仮想世界の管理者になったのである。
まとめ 感想
OPの最後の方に出てくる少女魔法師みたいの誰?
って思ってたんだけど、ここで登場!
カーディナルだったのね。
ソードアートオンライン 1期でいうユイちゃんみたいな存在かな?
ラース職員の唯一人の闇によって、それが仮想の世界に時間とともに、歴史と共に波及していき、アドミニストレータを創りだしてしまう土壌を生み出してしまった。 まぁ 元々 計画自体がお粗末なもんだったんじゃない?!
それにしても、前々から思っていたことだけど、こういう事態になる前に、アドミニストレータが生み出される前に、ラース技術陣はなんとか出来なかったんでしょうかね?!
今回、カーディナルからスーパーアカウントの名も出てきて、闇の世界の話もチラッと出てきて、今後の伏線を張っているように思えました。
第6話 アリシゼーション計画の補足説明、カーディナルの存在、ラスボスのアドミニストレータの誕生秘話を絡めた説明回なんでしょうね。
これからは、なんとか術とか、戦闘シーンも次第にチート化しそうな予感がします。
今のままでは、キリトもユージオも他の整合騎士には、歯が立たんでしょう。
カーディナルの出現によりそこら辺は辻褄を合わせる、キリト達を強くするんだろう!?って感じでしょうかネ。
この世界の調整者 カーディナルの力も及ばず、封じ込められ、
こうなると、アリスを記憶操作し、外界への連絡手段を知っている最高司祭アドミニストレータをユージオとキリトに倒して欲しい 的な依頼をして、それを了承する代わりに秘術を伝授する ってパターンかな。
三者三様、動機はどうあれ 一応 利害は一致してますからねー
それになんだって アドミニストレータ同様、全システム・コマンドを知り尽くしている人ですから、伝授するのはわけないでしょう。